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「お菓子屋さんになりたい」という夢と学業の両立のためNHK学園に入学し、在学中に洋菓子店をオープン!自分のお菓子でお客様が幸せになるのが、自分自身の幸せ。

久保浦彩奈さんは、NHK学園高等学校スタンダードコースの3年次生。2023年12月に宮崎県西都市内で洋菓子店「お菓子屋 彩(いろどり)」を開店しました。高校在学中に自分のお店を始めた久保浦さんに、開店までのいきさつや学業との両立などについて聞きました。

お客さんの温かさに支えられて幸せを噛みしめる毎日

――まずはお店のオープンおめでとうございます!まだ開店して数か月というところですが、手ごたえはいかがですか。
久保浦さん:想像していた以上にたくさんの方からの反響を得まして、みなさまには感謝しかありません。私自身は人とのコミュニケーションは苦手な方で、実は接客面に大きな不安を感じていたのですが、お客様が皆温かく、リラックスして楽しくお仕事することができています。
お店をオープンしてから約2ヶ月が経過しますが、毎日3時間ほどですべての商品を完売することができ、お客様には「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。毎日お客様からいただく応援の言葉に支えられ、頑張れています。

――自分のお店を持つとなると、お菓子の製造、販売、売り上げの管理と、さまざまな苦労があるのだろうな、と想像します。
久保浦さん:毎朝4時に起床し、帰宅するのは22時という日々なので、大変と思うこともありますが、何より楽しいです。大変なときは、お客様の顔を思い出して、幸せの余韻に浸りながら頑張っています。ですが、私ひとりで製造しているため、商品の種類・個数にどうしても限りが出てしまいます。できる限り、最大限で頑張ってはいますが、これからも少しずつ種類や製造数を増やしていけたらというところです。

幼稚園生のときのケーキへのあこがれが原点

――洋菓子店を開きたいという思いはいつから持っていたのですか。
久保浦さん:「ケーキ屋さんになりたい」というのは、 幼稚園生の頃からの夢でした。当時は、おそらくケーキがものすごく好きだったので、ケーキ屋さんのキラキラ輝くケーキに心惹かれていたのだろうと想像します。
お菓子作りに興味を持ったのは小学4年生の時でした。元々もの作りが大好きだったので、ダンボールや画用紙でケーキを工作したりなどしていたのですが、その中でもお菓子作りにどっぷりハマってしまいました。中学生に入る頃には、本格的にお菓子作りをするようになり、作ったお菓子をInstagramにて投稿すると、たくさんの方々から応援の言葉をいただくようになりました。
自分が作ったお菓子で周りの人を幸せにできるということに一番の喜びを感じ、「ケーキ屋さんになりたい」という思いがますます強くなりました。中学3年生の頃には「自分のお店を持ちたい」と思うようになっていました。

開業準備との両立をめざしてNHK学園へ入学

――その夢の実現のために、NHK学園を進学先として選んだのですか。
久保浦さん:お菓子作りの時間、そして、お店を開業する準備のためにも時間が必要だったので、自分のペースで勉強ができ、自分自身の時間を多く確保出来る通信制の高校を探していました。そこで見つけたのが「NHK学園高等学校」です。ネット学習を取り入れているので、少しの空き時間、移動時間にタブレットで学習することができます。お店開業の準備をしながら、勉強面も両立させていきたかったので、このふたつが叶えられそうなNHK学園高等学校を選択しました。

――高校生活と並行して開業の準備を進めていたのですね。
久保浦さん:はい。レポートの提出が追いつかない…と焦ることもありましたが、「絶対遅らせないぞ」という根性で頑張りました。勉強面と自分の夢、この2つを叶えることができて、NHK学園を選択して本当に良かったと思っています。

レシピに妥協なし!ときに1000回超の試作も

――このタイミングで自分のお店を開店することにしたいきさつを教えてください。
久保浦さん:NHK学園入学後は、レポートの提出、週末のスクーリングに通いながら、空いた時間は毎日お菓子作りに没頭する日々で、1年次から、レシピ開発をしたり土地を探したりするなど、お店を始めるにあたっての本格的な準備をしていました。
レシピ開発に関しては、客観的な意見を得るため、両親の職場の方々にご協力いただき、毎回100名ほどの方に試食、アンケートを実施してきました。そうすることで、自信をもってお客様に提供できる商品が完成します。レシピ完成まで、「一切妥協しない」というのが私のモットーです。現在商品化しているもの、特にシフォンケーキは、1000回以上の試作を繰り返して完成した商品になります。準備を始めて約3年、ようやく自分が納得のできる商品、お店が完成したため、このタイミングでの開店となりました。

試作を繰り返した久保浦さんのシフォンケーキ

――開業には「食品衛生責任者」もしくは「調理師」や「製菓衛生師」の資格が必要かと思います。資格取得の勉強も在学中に同時に進めていたのですか。
久保浦さん:1年次の頃から自分のお店を持つと決めていたので、「食品衛生責任者」の資格は、3年前に取得しています。
「製菓衛生師」の資格を取得するための勉強も当時からしていたのですが、実務経験が2年ないと試験を受けられないということで、断念しました。こちらは2年後、取得したいと考えています。

3年次での初めての遠足がNHK学園での一番の思い出

――NHK学園での学校生活で印象に残っていることは何ですか。
久保浦さん:3年次での初めての遠足です。私が入学した年は、ちょうどコロナウイルスが流行している真っ只中の時期だったため、1、2年次は行事ごとは何もできませんでした。そんな中、先生方の「どうしてもみんなを遠足に連れて行って楽しませてあげたい」という思いから、3年次で念願の遠足に行くことができたのです。
遠足では、フラワーアレンジメント講座を行いました。沢山笑ったすごく楽しい時間で、一番の思い出です。
余談ですが、この時の講座で同じ班になった初対面の方が、実は母の知り合いの方でした。母から私の夢の話を聞いていたようで、フラワーアレンジメントの際に、私が高校生でお菓子屋さんを開業することが夢だという話をしたら、母との話と繋がったのかハッとした顔をして、「お名前は?!」と聞いてこられたのを今でも鮮明に覚えています(笑)。母から私の話を聞いていたのは、1、2年前のことだったようでしたので、それを覚えていてくださったことがものすごく嬉しかったです。
そのお方、実は今ではお店のお客様になってくれています。「こんなことがあるんだ!」という奇跡の出来事もあり、遠足が一番印象に残っています。

この仕事が天職 店名どおり彩り豊かな商品を提供したい

――このお仕事の好きなところはどんなところですか。
久保浦さん:自分の大好きなお菓子作りで、お客様の幸せな笑顔を見られることです。お客様に幸せになってもらえると、私も幸せを感じます。私にこんな幸せ、喜びを与えてくれるのは、このお仕事だけだと思います。

――もっと先の夢として、何か考えていることがあれば教えてください。
久保浦さん:お店の名前である「お菓子屋 彩」には、「商品のラインナップを豊富にし、楽しく彩り豊かな皆様に愛されるお店になりますように」という意味が込められています。
現在は、まだ商品の種類が豊富ではないので、その種類を増やしていけたらと思っています。大変ありがたいいことに、<ホールケーキ>や、手土産にぴったりな<焼き菓子>のご要望もお客様からいただいています。製造する時間を確保出来ず、今はお店に並べられていませんが、自信作の<クッキーシュークリーム>などをラインナップに加えることを考えています。


久保浦さん、お忙しい中お話を聞かせてくれて、ありがとうございました!優しい笑顔と語り口の裏に秘められたお菓子作りへの情熱に圧倒されました。
久保浦さんのお店「お菓子屋 彩」の開店スケジュールやお知らせなどはインスタグラムで随時更新しています。お近くの方はぜひ、チェックしてください。→https://www.instagram.com/okasiya.irodori/
通販も始めてくれたら嬉しいです(笑)。

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