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高校への進学の不安を親身に聞いてくれた先生に惹かれて入学。先生たちに支えられ、さまざまなことにチャレンジしたNHK学園での3年間。

「第68回青少年読書感想文全国コンクール」(全国学校図書館協議会・毎日新聞社主催)でみごと毎日新聞社賞を受賞した登校コース3年次・江口晴香さん。今回のコンクールに限らず、NHK学園での3年間でさまざまなことに挑戦してきた江口さんに学園生活を振り返ってもらいました。
◆江口さんの受賞感想文はNHK学園ホームページで紹介しています。
https://www.n-gaku.jp/sch/topics/4981

親身に話を聞いてくれる先生に惹かれて入学

――NHK学園に入学を決めた理由を教えてください。
江口さん:中学3年生の時に体調を崩し、学校に行くことができなくなりました。体調のことを考えて、通信制高校に絞って進学先を決めようと通信制高校の集まる相談会へ足を運んだときに、NHK学園の話を聞いたのがきっかけです。勉強についていけるか、将来はどうなるのか、不安でいっぱいだった私の話を先生が親身になって聞いてくれました。40分ぐらいお話させてもらって、「ここなら夢がかなえられるかな」と光が見えたようでした。NHK学園なら自分のペースで勉強して、こんなやさしい先生たちに応援してもらえると感じたのです。
その後、校舎に見学に行って、理科室や図書室があるなど校舎や校庭が充実していることも決め手になりました。他の通信制高校も見学しましたが、ビルの一室だったり、狭かったりで息詰まる感じがありました。病気のこともあり閉所は難しいので、やはりNHK学園がいい、と入学を決めました。

NHK学園での学習を通じて、書くことに親しんできた

――今回、読書感想文コンクールに参加したのには、どんなきっかけがあったのですか。
江口さん:高校1年生の時に祖父が、読書感想文コンクールで受賞した高校生の新聞記事のコピーを渡してくれて、「いつかこんな風に新聞に載ったらうれしい」と言っていたことが、頭にありました。高校2年の時に、明治大学文学部主催の読書感想文コンクールに挑戦したのですが、課題図書が難しくて、つらくて泣きそうになりながら読みました。
今回の毎日新聞社のコンクールは、学校の図書室の司書の先生に教えていただきました。

――文章を書くのは得意ですか。
江口さん:苦手ではないけれど、決して得意というわけではありません。きっと、中学の時の友だちが聞いたらびっくりすると思います。
ただ、国語のレポートなどでも思ったことを自分の文章で書く課題があるなど、高校の勉強の中で、徐々に書くことに親しんできたように思います。

精力的な活動を応援してくれる先生たち

――読書感想文コンクールのほかにも、いろいろな活動にチャレンジしています。
江口さん:はい。文芸同好会に所属しているのですが、活動の中で、ひとことで自分の思いを伝えることが難しいと感じました。そこで短いことばで核心を伝える練習に、短歌をやってみようと思ったんです。詠んだ短歌は、文芸同好会のみんなに見てもらったり、ご自身が短歌を詠む先生がいらっしゃるので、見てもらったりしています。先日、「斎藤茂吉ジュニア短歌コンクール」に応募しました。
また、「東洋英和女学院大学英語レシテーションコンテスト」のために英語科の先生に発音やイントネーションを指導していただいたり、「IIBC高校生英語エッセイコンテスト」のために英文エッセイの文章を見てもらっています。

――精力的ですね!文芸だけでなく、書もされるとか。
江口さん:小学3年生から書道を習っていたのですが、中学2年生の秋頃から体調が悪くなり結果的にやめることになりました。NHK学園の書道部は思うように参加できていませんが、顧問の書道の先生に作品を見てもらって、蘭亭序の臨書を「かわさき市美術展」に出品し、入選しました。書は、悩みすぎているときに取り組むと心が落ち着くんです。

安心できる環境でさまざまなことに取り組む意欲が湧いた

――入学前の悩んでいた頃には想像もできない活躍ぶりです。
江口さん:NHK学園に入学して、安心できるようになって、さまざまなことに取り組む意欲が湧いてきました。

――普段の学校生活についても聞かせてください。
江口さん:豊かな友人関係に恵まれました。NHK学園の友だちは、みんな一緒でなくてはダメというのではなく、仲は良いけれども、その人はその人と認めて立ち入らない。居心地がいいです。

――卒業後は、どうされるのですか。
江口さん:放送大学に進学することに決めました。広く教養を学ぶことができる学部で、とても自分に合っていると感じています。幅広く学んで、自分自身が健康のことで悩んだので、健康やからだのしくみについても深く学びたいです。

担任の中島先生(左)と文芸部顧問の小山先生と


ひと言ずつ、ことばを選びながらお話してくれた江口さん。「江口さんの一生懸命さに、周囲の人が親身になるんです」と担任の中島先生。文芸同好会顧問で、江口さんの文章に接する機会の多い小山先生は「大人しいけれど、内に強い力を秘めた生徒です」と話してくれました。
春からは大学生になる江口さん。これからも活躍を楽しみにしています。