高校生の求める居場所って。
Ngaku Design Lab チーム「居場所係。」のnote担当・野村です。
2020年4月からNHK学園高等学校の広報を担当しています。それまでは、同じNHK学園でも生涯学習通信講座の運営に携わっていました。
広くみなさんにNHK学園高等学校のことを知ってもらうには、まず、自分自身がもっと詳しく知らなくては!と思い、デザインラボに参加しています。
居場所係。のメンバーは3人。私以外の2人は教員です。
まずは集まって、生徒たちが求める居場所って何だろう、と話し合いました。
学校の中にソファーがあったりするといいのかな?
畳みたいに、靴を脱ぐとリラックスできるかも?
でも、靴脱いだ時の足のにおいが臭いって言われたらどうしよう、とかプレッシャー?
やっぱり今どきの子たちはオンラインの居場所が欲しいのかな?
そもそもコロナ禍で、リアルな居場所は難しい?
と、いろんな考えが出ました。
でも、生徒本人ではないので、正解かどうかはわかりません。
念ずれば通ず
在校生にも入ってもらって、意見を聞きながら進めたいね、と話していたある日、NOS(NHK学園オンライン学習システム)の掲示板に、一人の生徒から、こんな呼びかけがありました。
まさに「念ずれば通ず」!
そして、この呼びかけに答えて、
…と賛同のメッセージが続々集まってきたのです!
手を挙げてくれた生徒の中には、東京本校だけではなく、各地にある協力校に通っている生徒もいる(NHK学園は全国に“協力校”という学習拠点を持っています)ので、まずは東京本校の生徒に集まってもらって、顔合わせを行うことにしました。
とは言え、東京都では日々、多くのコロナウイルス感染者数が出ています。
集まってもらうのも心配ですし、次には、東京本校以外の生徒とも集まりたい!そして、その時にはオンラインで集うことが必須です。経験を積むためにも、少しハードルが高いですが、オンラインでの顔合せ、そして参加者の意見を上手に引き出せるようワークショップを行うことにしました。
東京本校生徒とのワークショップ
当日は、不慣れな部分を補うために、NHK学園外部からワークショップのプロフェッショナルにも入ってもらって進めました。
進行はお任せして、「居場所係。」と「うぇる・び」のチームメンバーから教員が1名ずつ参加しました。私はオブザーバーとして、画像&音声なしで参加しました。
何しろ、在校生の生の声を聴きたい!と思ってこのラボに参加したので、待ちに待った機会です。
当日はコースの異なる男女各2名、計4名の生徒が参加してくれました。
事前に「好きなこと/もの」に関する画像を1点用意してもらって、自己紹介からスタート!
モーニング娘。(「居場所係。」とかぶってる…)の写真あり、家系ラーメンの写真あり、自作のイラストあり…。画像をもとに話が広がります。
以下のような内容で進めました。
1. はじめに(自己紹介・居場所づくりに興味を持ったきっかけやしたいこと)
2. 心地いい!の共有
3. モヤモヤの共有
4. みんなの居場所づくり(居場所のイメージ、どんな居場所をつくりたいか)
5. おわりに(今回のワークショップの感想や感じたことをひとこと!)
参加者の話を聞きながら、オンラインホワイトボードツールMiroを使って、要旨をまとめていきます。リアルでの付箋ワークショップをそのままオンラインにした感じです!
当日のMiroのボードはこんな感じ。
高校生たちの考える「居場所」
生徒からは、
・重く考えず、気が向いたときにぱっと参加できるようなゆるさが欲しい
・同じ趣味について語り合えるとかくだけた、堅苦しくない感じ
・ほかのクラスや違う学年の子とも会いたい
・ビーズクッションやボードゲームがあったらいい
と言った意見が出ました。
また、
・目を合わせて話したい
・ネット上だと触れ合いが難しい
・リアルでは表情がわかる
など、リアルでの居場所を希望する声が多く出ました。
「オンラインはどうかな?」という問いかけには、「オンラインは話さなくても聞いているだけでいいのがいいところ」というプラス面を伝えてくれました。
「おわりに」では、「楽しかった!」という声がたくさん聞けたのもうれしいところです。
・思っていたことが言えてよかった
・いろんなことを知ることができた
・自分の意見を言って、聞いてくれてうれしい
・こういう感じで話をしたい!
・もっとたくさんの人と話がしたい
といった声がありました。
私もオブザーバー参加していて、話に入りたい!と思うことがたくさんありました。
居場所づくりに参加した理由や、モヤモヤの共有などの場面で、過去の自分の経験や、今自分の中にある不安について、飾ることなく話してくれたことが本当にうれしかったです。
そして、みんな、自分としっかり向き合っていて、頼もしいなと思いました。
高校生って徐々に大人に近づいていく時期。そういう時期に、親でもない、先生でもない大人と対等な立場で話をするのは意外とない経験かも知れません。
「こういう感じで話をしたい!」ということば通り、今回のワークショップそのものが「居場所」の一つの在り方につながるものだったのかもしれません。